西鈴蘭台歯科クリニックの歯周病治療のご案内

歯周病は感染症であり、そして生活習慣病です。何より大切なのは歯周病を予防することですが、歯周病になってしまった場合は、あなたと歯科医師・歯科衛生士が協力して治していくことが大切です。まずは歯周病とその予防、治療についてご理解してください。そして一緒に歯周病から歯を守りましょう。

 

●歯周病とは

●歯周病のメカニズム

●歯周病が全身に及ぼす影響

●歯周病は若い人もかかっています

●こんな症状があったら要注意です

●大切なのは歯周病にならないように予防すること

●歯周病治療の流れ 

     

                             西鈴蘭台歯科クリニック    

歯周病とは

u[1].gif

歯は歯ぐき(歯肉)、歯根膜、骨(歯槽骨)などの歯周組織により支えられており、歯周病というのは、歯を支持している歯ぐき、結合組織、骨に起こる炎症を主要症状とする病気で、口の中の細菌による混合感染と考えられています。

お口の中が正しく清掃させないと、口の中の細菌が食べかすを分解し、歯の表面に膜(バイオフィルム)状の共同体であるプラーク(歯垢)を形成します。歯周病とはこのプラークが歯を支持している組織{歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨}に炎症を起こし、徐々に進行し、歯肉付着部が崩壊しやがては歯の喪失に至る病気です。また、プラーク中の細菌の産生する酸は虫歯の原因にもなります。プラークは唾液中のカルシウムなどを取り込み、硬い歯石になります。歯石の上にはプラークが付着しやすく、歯石も歯周病の原因となります。

 

歯周病のメカニズム

 @細菌の繁殖

歯垢歯石がたまると、ここをかっこうのすみかとして歯と歯肉の境や歯と歯の間、歯のくぼみなどに細菌が繁殖します。この細菌こそが歯周病を引き起こす原因となります。

 

A歯周炎

歯肉炎というのは、歯肉と歯肉線維が炎症を起こした状態で、その炎症はまだ骨とか歯根膜まで達していない段階です。いいかえれば、歯の根のまわりの柔らかい組織だけが、歯垢の中に含まれている細菌によって侵されているのが歯肉炎です。いわば、歯肉に限定された病気です。
この歯肉炎がすすむと歯周病になるのですが、歯肉炎になれば必ず歯周病になるとは限りません。歯肉炎のままで終わる人もいます。
また、歯肉炎にかかって、すぐに歯周病になる人もいれば、比較的長い時間を要して歯周病になる人もいます。年齢や体の抵抗力、そして細菌の種類、歯肉の性状によってまちまちです。

 

B歯ぐきから血がでる

●出血するしくみ
出血するのは、歯と歯肉の間にポケットができ、その内側の歯肉に炎症が存在するからです。この炎症はポケットの中、特に歯の根の面に歯垢や歯石がべっとりとつくとおきます。
歯肉の内側には毛細血管が走っていて、歯肉溝(歯と歯肉の境目で健康な状態のこと)へ栄養を送っているわけですが、細菌の侵入によって炎症が起きるとエネルギーの消費量が増え、その結果、栄養の供給が不足してしまいます。そこへ歯ブラシをかけたり、リンゴをかじったりして物理的な刺激を与えると、血がにじみでるというわけです。
歯ぐきから血が出るということは、細菌がそこに存在しているということであり、歯周病の徴候といえるでしょう。

●痛みについて
歯周病は、上記のとおり、歯ぐきに物理的な刺激を与えると出血はしますが、一般的には痛みはありません。痛む場合には、歯肉が化膿した時の痛みです。だから歯周病のことを別名「沈黙の病気」ともいわれています。
したがって、痛みがないからといって、ポケットができているのを放置しておくのは禁物です。命を落とすことはないでしょうが、大切な歯を失うことになりかねません

 

C歯の根と歯肉がはがれ、歯槽骨が溶ける
歯肉だけに起きていた炎症がさらに進行し、歯の根の方に侵入していきます。
骨と歯根膜を溶かしながら細菌が侵入してくると、炎症した病気の組織である歯肉などは歯の根と離れていきます。歯肉の組織がおかされてしまうために、歯の根に接着していることができなくなるからです。
歯周炎の原因となる細菌は、中のほうで繁殖して歯の根の先の方へ進むという性質をもっているため、進みながら歯根膜や骨、さらに、歯の根を溶かしていくことになります。
このくりかえしが歯周病を悪化させ、最終的には、歯の根のまわりの骨をほとんど溶かしてしまうため、歯はそこにとどまることができずに抜け落ちることになります。

歯周病が全身に及ぼす影響

gums_images_newspaper_big.gif 最近歯周病と深刻な健康障害の研究で口腔細菌が血流内に入り込み体内をめぐることが明らかになってきました。サイトカインの生成を含む口腔細菌に対する身体の反応は、心臓疾患、糖尿病の悪化、肺炎やその他の呼吸器疾患、脳卒中、さらに低体重児早産など深刻な全身疾患を引き起こす危険因子が高いということが、近年の研究結果で報告されています。

(右図はクリックすると拡大できます)

 

●肥満

 脂肪細胞から分泌されるさまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)が歯周病を悪化させる可能性があります。

 

●狭心症・心筋梗塞

1.歯周ポケット内の細菌が直接血流にのって冠動脈へ到達し感染する説と、
2.細菌感染によって惹起された歯周炎の種々の炎症関連分子が間接的に冠動脈に作用する説とがあります。

 

●早期低体重児出産

サイトカインなどのメディエーター物質の関与、および産科器官への歯周病原細菌の直接的な感染の2つが考えられています。

 

●骨粗しょう症

閉経後女性では、エストロゲン分泌の低下により、発症した歯周炎の進行過程にかなり悪影響を及ぼすと考えられます。また、日本人のいくつかの報告から、閉経後女性の歯周病の罹患している患者さんでは、一般でのスクリーニング以上に骨粗鬆症の検出率が高く、発症した歯周炎の進行過程に影響を及ぼすことが考えられます。

 

●免疫・アレルギー疾患

自己免疫疾患および金属アレルギーは細菌感染に対する宿主側の感受性を高め、炎症性サイトカインが過剰に放出される環境にあるので、歯周病とこれらの疾患との間には相互作用があります。

 

●糖尿病

古くから、糖尿病と歯周病の関連については多くの報告があり、糖尿病患者は健常者に比較して有意に歯周病を発症する頻度が高いことがわかっています。最近では発症進行した歯周病を治療する事で、糖尿病自体の血糖コントロールにも好影響を及ぼすこともわかってきました。歯周組織の創傷治癒遅延や、高血糖に伴う感染の助長などの機序で糖尿病患者の歯周炎の病因が説明されています。また、軽微な慢性炎症がインスリン抵抗性を惹起することで、歯周炎症が糖尿病の血糖コントロールに悪影響を与えるという説が提唱されています。

 

●誤嚥性肺炎

施設介護者や看護師による毎食後の歯磨きに加えて、週に1回の歯科医師もしくは歯科衛生士による専門的な機械的口腔清掃を2年間継続して行ったところ、肺炎の発生率を40%抑制できました。Yoneyamaら(1999年、2002年)口腔衛生状態が改善し、歯肉炎や歯周病の治癒が図られたことと、毎日の口腔ケアによって口腔機能と嚥下機能の改善が図られたことによると考えられます。

歯周病は若い人もかかっています

「歯周病は年を取ってからかかる病気!まだ若いから関係ない」と思っていませんか。

実は15歳〜19歳の若者の65%、20歳〜29歳ではなんと75%歯周病の症状が見られます。30歳以上になると80%以上の人が歯周病になっています。

 

また、歯周病には10歳未満から始まるタイプや、10〜30歳ぐらいまでに発症して急激に症状が進行するという悪質なタイプがあります。なかでも侵襲性歯周炎(若年性歯周炎、急速進行性歯周炎)は若いころに発症するものです。これらの悪質タイプの歯周炎は早く治療をしておかないと手遅れとなり、多くの歯を抜かなくてはならないことになります。

 

 

こんな症状があったら要注意です

歯周病は『沈黙の病気』と言われることもあります。知らないうちに進行し、症状が進むまでなかなか自覚しにくい病気だからです。歯周病を放っておくと歯ぐきから膿が出たり、激しく痛んだり、歯がぐらぐらになったりして最後には抜けてしまいますので下記のような症状(下へいくほど重症です)がある方はできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

 

歯周病用画像.jpg●歯ぐきの縁が赤い

●歯石がついている

●口臭がする

●朝起きると口の中がネバネバする

●冷たいものがしみる

●歯が伸びてきたように感じる

●歯がグラグラしてきた

●歯ぐきが腫れたり膿が出てくる

大切なのは歯周病にならないように予防すること

歯周病用画像2.jpg歯周病は早期発見・早期治療も重要ですが、それよりも重要なことは歯周病にならないように普段から予防することです。歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)です。まずはプラークを確実に取り除くこと、つまりプラークコントロールが大切です。プラークコントロールの基本は毎日の歯磨きと、定期的な歯科医院でのプラーク除去です。そして次に大切なのは生活習慣の改善です。歯周病の最大のリスクファクターは喫煙の習慣ですのでタバコを吸っている方は禁煙をおすすめします。また、甘いもの、やわらかいもの中心の食生活をあらため、繊維質の野菜、ビタミンCの豊富な食べ物などをとり、バランスのよい食生活を心がけることも大切です。

 

 

歯周病治療の流れ

歯周病は患者様と歯科医師、歯科衛生士が協力し合って治していく病気です。口の中から歯周病の原因を取り除くことだけでなく、患者様が自分の口の中と全身の健康を保つ能力を獲得し、それを一生続けられるようにサポートしていくのが私たちの役目です。

治療の内容や期間は、症状がどのくらい進んでるかによって変わります。症状の軽いうちに治療に取り組めば、それだけ早くよくなります。ここでは一般的な治療の流れをご説明します。

 

@歯周検査

まず始めに歯周病の検査をします。歯周病の進行具合や菌の種類などを把握し治療計画を立てていきます。

(痛みがある場合は検査の前に応急処置を行います)

 X線写真 歯槽骨がどのくらい吸収されているか、歯周病の進行具合を確認します。 
 歯周ポケットの測定 歯周ポケットの深さを測り進行具合を把握します。
また、菌の種類も確認します。
 歯茎の出血 茎からの出血があるかどうかで、歯周ポケット内の炎症を調べます。
 咬み合わせ検査 咬み合わせがあっていないと余計なところに力が加わり歯茎を痛めてしまいます。
その部分から歯周病が発症しやすいのでチェックします。

 

歯周病用画3像.bmpAスケーリング

スケーリングとは歯についた歯石を除去する事をいいます。
除去する事により歯茎の炎症を和らいでいきます。

歯周病用画像4.bmpBルートプレーニング

スケーリング後は歯がざらついておりますのでルートプレーニングによって表面を滑らかにします。

 C再評価

スケーリング・ルートプレーニング終了後、一ヶ月くらい経過を診て再度歯茎を検診します。その時の状態に応じブラッシングの指導や生活習慣の見直しなど行います。